SBI・Vシリーズ誕生

SBI・Vシリーズ誕生 投資信託

SBIアセットマネジメントは、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」を「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」に名称変更し、同時に「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・全米株式)」と「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・米国高配当株式)」を新たに設定することで、SBI・Vシリーズを立ち上げることを発表しました。

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

このファンドはバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を通じて米国株に投資するファンドです。SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(旧名SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド)がS&P500を構成する大型株500銘柄に対して投資するのに対し、このファンドは米国内の大型株だけでなく中小型株を含む3700社以上の会社に投資することになります。

これまで日本においてバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に投資できるファンドは楽天・全米株式インデックス・ファンドだけだったので、真の意味でのライバルファンドが登場したことになります。

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド

このファンドはバンガード・米国高配当株式ETF(VYM)を通じて米国の高配当銘柄に投資するファンドです。

日本で扱われるファンドでは配当金を自動で再投資する仕組みのモノが多いのですが、このファンドが配当金を自動再投資するのか定期的に分配するのかは今のところ不明です。高配当株に投資して定期的な配当金収入を得たいとお考えの方はその点を確認する必要があります。

予想される効果

SBI・Vシリーズ誕生によって今後どのような効果が投資信託業界にもたらされるでしょうか?

真っ先に思いつくのは楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬に対して値下げ圧力がかかるということです。まずは楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬の推移をご覧ください。


第1期第2期第3期第4期
期間2017.9.29~2018.7.172018.7.18~2019.7.162019.7.17~2020.7.152020.7.16~
信託報酬0.1296%0.1296%0.1296%⇒0.132%0.132%

これまでは消費税の値上げによる信託報酬の値上げが1度行われただけで、信託報酬の値下げが行われたことは1度もありません。完全なライバルファンドがなかったのでこれでもよかったのかもしれませんが、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの登場によってそうも言ってられなくなるのではないでしょうか。

というのもファンドに掛かるコストは信託報酬だけではありません。隠れコストと呼ばれる運用上発生するコストもあります。最新のデータで楽天・全米株式インデックス・ファンドと仮想SBI・V・全米株式インデックス・ファンドとして信託報酬が同じ0.0938%であるSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドのコストを比較してみると次のようになります。

楽天・全米株式インデックス・ファンドSBIバンガード・S&P500インデックス・ファンド
信託報酬0.132%0.0938%
隠れコスト(運用コスト)
0.047%0.0186%
実質コスト0.179%0.1124%

信託報酬だけを見ると0.132%と0.0938%という違いしかありませんがトータルでの実質コストは0.179%と0.1124%とコストの差が大きくなります。

これは信託報酬の差に加えて隠れコスト(運用コスト)に差があるからです。SBIバンガード・S&P500インデックス・ファンドは、ETFを市場で購入し手数料がかからないようにするなどコストを減らす工夫をしています。SBI・V・全米株式インデックス・ファンドにおいても同様のコストを抑える工夫がなされることが予想されますので、コストの違いはこれに近いものになることが予想されます。

当然投資家はコストが低い方を選ぶ傾向が強いので楽天・全米株式インデックス・ファンドにコストの引き下げ圧力が掛かると予想されます。仮に楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬が下がったとすれば、それは楽天・全米株式インデックス・ファンドの投資している投資家にとっても良いことといえるでしょう。

競争によってコストが下がることは投資家にとってはありがたいことなのでSBI・Vシリーズの誕生は多くの投資家にとって灌漑すべきものと言えるのです。

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