SPIVAスコアカード

SPIVA 投資信託

SPIVAスコアカードとは

SPIVAスコアカードとは、2002年からS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが年に2回発行しているレポートで、アクティブ運用の投資信託を適切な市場インデックスと比較した包括的データを提供するものです。

そもそもアクティブ運用の投資信託を評価するSPIVAスコアカードがなぜインデックス投資家と関係があるのか、その点を含めてお話ししたいと思います。

見る方法

SPIVAスコアカードを見るにはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのサイト内検索に「spiva」と入力すれば日本語版のレポートを閲覧できます。また左側の言語の欄の英語のレポートにチェックを入れると海外版のレポートも見ることが出来ます。分かり易い表になっているので英語がわからなくても理解できます。

SPIVAスコアカードの特徴

SPIVAスコアカードの特徴は

  • 生存者バイアスを排除したデータになっている。
  • 対象となるファンドに対して適切な指数で比較されている
  • 均等荷重と資産荷重の両方のパフォーマンスのデータを記載している

では、それぞれ見ていきましょう。

生存者バイアスの排除

ファンドの中には清算されたり他のファンドと統合されたりして消滅してしまうものもあります。こういったことは概して成績の良くないファンドで起こりがちです。従って生き残った(=成績優秀な)ファンドのデータだけを集計してしまうと実際以上に良い結果が出てしまいます。これが生存者バイアスです。

この生存者バイアスを避けるためにSPIVAスコアカードでは次のような手法をとっています。調査対象期間の期首の段階で存在したファンド数を分母とし、各期末にベンチマークを上回ったファンドの数をカウントしてその割合を算出します。そうすることで調査対象期間中に清算などにより消滅したファンドはベンチマークを下回ったファンドにカウントされることとなり、その影響を回避できます。

ファンドごとに適切な指数と比較する

各アクティブファンドをファンドの投資先企業の規模による3種類(大型、中型、小型)、ファンドの投資スタイルによる3種類(グロース、コア、バリュー)に分類し、それぞれを組み合わせた3×3の9種類のグループに分類します。モーニングスターでおなじみの下図のようなイメージです。

グロース コア バリュー
大型
中型
小型

そしてそれぞれのグループに適した指数(市場インデックス)と比較を行います。

どんなファンドも一律にメジャーな指数(S&P500やTOPIXなど)と比較するのではなくそのファンドに適した指数と比較することでより適切な分析が行えます。

均等加重と資産加重の両方のパフォーマンスを記載

ファンドグループの平均パフォーマンスを計算する場合、通常はファンドの資産規模に関係なく1つのファンドとしてカウントし平均を算出します。これが均等加重です。この場合、資産規模1000億ドルのファンドも資産規模1億ドルのファンドも同等に扱うことになります。その歪みを調整するため資産規模に応じたウエイト(=資産加重)をつけて平均パフォーマンスを計算します。こちらのほうが実際の運用成績をより正確に表していると言えます。

均等加重平均はアクティブファンドの単純平均リターンを表し、資産加重平均は各カテゴリーに投資された総金額の平均リターンを表します。SPIVAスコアカードでは均等加重で計算した平均パフォーマンスと資産加重で計算した平均パフォーマンスの両方が記載されています。

SPIVAスコアカードの注目点

ここまではSPIVAスコアカードについての説明でしたが、インデックス投資家にとって最も注目すべきなのは『レポート1』です。ここには各投資期間ごとに比較対象となるベンチマークをアンダーパフォーム(下回った)アクティブファンドの割合が記載されています。具体的には米国版のスコアカードは下の票のような感じです。

ファンドカテゴリー比較する指数1年3年5年10年15年
全ファンドS&P composite1500OO%OO%OO%OO%OO%
全大型ファンドS&P500OO%OO%OO%OO%OO%
全中型ファンドS&P MidCup1500OO%OO%OO%OO%OO%
全小型ファンドS&P SmallCup600OO%OO%OO%OO%OO%
大型グロースファンドS&P500 GrowthOO%OO%OO%OO%OO%
大型コアファンドS&P500OO%OO%OO%OO%OO%
大型バリューファンドS&P500 ValueOO%OO%OO%OO%OO%
中型グロースファンドS&P Midcup400 growthOO%OO%OO%OO%OO%
中型コアファンドS&P Midcup400OO%OO%OO%OO%OO%
中型バリューファンドS&P Midcup400 ValueOO%OO%OO%OO%OO%
小型グロースファンドS&POO%OO%OO%OO%OO%
小型コアファンドS&POO%OO%OO%OO%OO%
小型バリューファンドS&POO%OO%OO%OO%OO%

日本版のSPIVAスコアカードは始まったのが米国版より遅かったので、測定期間が1年、3年、5年、10年となっています。

特に注目していただきたいのは測定期間15年の欄です。実際の米国版のSPIVAスコアカードを見ていただけるとわかりますが、ここには80%代から90%代の数字が並んでいます。80~90%以上のアクティブファンドが15年という期間で見るとベンチマークを下回っているということです。

インデックス投資家目線で見るとどうでしょうか。確かにこのスコアカードはアクティブファンドとそのベンチマークとなる指数との比較です。ただし低コストのインデックスファンドの場合、総コストは僅か0.2%ほどですから指数のパフォーマンスを0.2%下回るだけのリターンを理論上は達成できることになります。(トラッキングエラーなどで多少上ブレ下ブレはありますが)そう考えるとこのスコアカードはアクティブファンドと低コストのインデックスファンドの比較ととらえることも可能と考えます。

スコアカードのデータをどう解釈するかは見る人それぞれだと思いますが、私にはインデックス運用の優位性を示すデータのように思えます。

いずれにしても大変興味深いデータですので、まだ見たことがないという方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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