前回の記事では国内投信と海外ETFのコストについて比較しましたが、今回はコスト以外の点について比較していきたいと思います。
購入単価
国内投資信託の場合は、100円以上1円単位で購入することが出来ます。
海外ETFの場合は1口単位でしか購入することが出来ません。例えばVOOの場合仮に1口270ドルだとすると(1ドル=107円換算だと)28890円単位でしか買えませんし、VTIの場合は仮に一口150ドルだとすると16050円単位でしか買えないということです。
毎月一定額を積み立てるという場合、国内投資信託であれば投資額分きっちり購入することが出来ますが、海外ETFの場合は投資額の一部が余ってしまったり金額が1口分に足りなくて買えなかったりすることもあり得ます。
従ってドルコスト平均法の恩恵も受けずらくなってしまいます。
毎月一定額を積み立てるという場合は国内投資信託のほうが良さそうです。
分配金
分配金はファンドが投資している各企業からの配当金を年4回程度の頻度でファンドの所有者に配るものです。
国内投資信託の場合は分配金が投資家に分配されることなく自動的に再投資されます。米国で10%課税されるため残りの90%が再投資されることになります。国内での課税はありません。
海外ETFの場合は分配金に対して米国で10%課税され、さらに国内で20.315%課税された残りの約71.7%が投資家に分配されます。
2重課税となる約8.3%分は確定申告の際に外国税額控除を申請することで取り返すことが可能です。
また分配金を再投資する場合は受け取った分配金で再び海外ETFを購入するということになりますが、最初の購入単価の所でお話ししたようにある程度まとまった金額にならないとETFを購入することが出来ません。
分配金を再投資する前提の場合は手間が掛からず、税金的にもお得なので国内投資信託のほうが良いと言えます。
また高配当株ETFのように分配金を受け取ることを前提としている場合は、海外ETFを選択することになるでしょう。
機動的な購入・売却
海外ETFの場合は、通常の株取引と同じように指値注文(値段を指定して注文する)や成行注文(値段を指定せずその時の価格で購入・売却する)が可能です。
従ってあらかじめこの値段になったら買うまたは売るということが可能ですし、相場を見ながら任意のタイミングで買うまたは売るということが可能です。
それに対して国内投資信託の場合は注文から約定(売買が確定する)までにタイムラグがあります。
具体的には注文を受け付けた日の翌営業日の終値で取引が行われます。注文の受付時間が15時までなのでそれまでに注文を出した場合は翌営業日の終値で購入・売却がおこなわれます。また注文が15時以降になると翌営業日に注文が受け付けられ、さらにその翌営業日の終値で取引が行われるということです。
最近のコロナショックでの暴落相場のようにダウ平均が1日で1000ドル、2000ドル変動するような場合は、1日2日の違いで大きな差が生まれることがあるので、機動的な購入・売却という点では海外ETFのほうが優れているということになるでしょう。
ただしタイミングを見計らって購入・売却したほうが必ずしも良い結果につながるとは限りません。相場の動きは誰にもわからないのでタイミングが遅れたことでより安い価格で購入出来たり、より高い価格で売却できたりすることもあるからです。
為替と購入・売却のタイミングを分けることが出来る
国内投資信託の場合は注文が実行される際の為替レートで決済が行われるので、ファンドを購入・売却と為替が同時に行われます。
それに対して海外ETFのの場合、外貨決済だとファンドの購入・売却と為替のタイミングを分けることが出来ます。
具体的にはファンドの価格が高いときに売却し代金をドルで受け取っておいて、円安になったときにそのドルを円に交換するということが出来ます。
また毎月一定額のドルを購入(外貨積立)して海外ETFの価格動向を見ながらタイミングを見て購入するといったことも可能です。この場合毎月一定額のドルを購入するということでドルコスト平均法の効果により為替リスクを低減することが出来ます。
ファンドの購入・売却と為替のタイミングを分けることが出来るという点は海外ETFの大きなメリットといえるでしょう。
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